畑谷城跡

―― 置賜地方と村山地方を結ぶ要衝の地に設けられた山城 ――

城跡山頂主郭跡に建つ記念碑
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城跡山頂主郭跡に建つ
記念碑
主郭への道からの主郭虎口跡(南方面)
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主郭への道からの
主郭虎口跡(南方面)
 山形最上氏は、置賜、下長井地方に通ずる要衝の地である畑谷にその部将江口氏を配置して、置賜との境を守らせていた。
 江口氏は東黒森山の尾根続きの館山に、山頂を本丸として、各所に空堀を配した山城を築き、その任に当たった。
 館山山頂は、標高549mで、山形城を遥かに一望でき、山麓低地との比高は、約70mである。
 南方は急斜面で、弧越街道白鷹方面を直視し、西方は山続きとなっている。

 慶長5年(1600)旧暦9月11日関ヶ原の戦にあたり、上杉家直江山城守は、主力軍約二万をひきいて、荒砥から進撃し、山形城を目指して長井街道を北進、白鷹丘陵を横断・東進して、途中の畑谷城に迫った。
 畑谷城主・江口五兵衛光清は、山形城主・最上義光から、引き上げて山形城に合流するようにとの指令を受けたが、部将として逃げることを選ばず、その指令を断った。
尖り森側の東部大空濠南側内部(北東方面)
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尖り森側の東部大空濠南側内部
(北東方面)
 
主郭北西部下の二重濠北側(南西方面)
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主郭北西部下の
二重濠北側(南西方面)
 また、江口を高く評価していた直江からは上杉勢への協力を勧められるが、それも断り、畑谷城南部山麓部の鵜川あをせき止め、水堀として備えを固めていた。

 上杉勢は本陣を片倉山に置き、正面攻撃は片倉山より下り、上郷・前坂・土木山・西の原方面に陣を構えた。
 一隊は前田慶次郎を隊長として馬牽原より一本木峠を通って簗沢方面に下り北方から攻撃する態勢であった。
 12日から攻防戦が始まり、翌13日には水門が破られたため、水堀の水も引き、江口道連(光清)は手勢を指揮して迎え撃ったが、二時(4時間)の攻防戦で敗れて、自刃し、畑谷城は落城した。
 直江は、「・・去十三日最上領畑谷城乗崩 撫切(皆殺し)申付、城主江口五兵衛父子共首五百余討捕候・・」と書き送っている。
 最上家との義に殉じ、不利な山間の山城で散った江口公とその一党の事蹟には特筆されるものがある。
「ごへえ宿」前からの首洗い池と城入口に沿って続く空堀(北東方面)
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ごへえ宿前からの首洗い池と
城入口に沿って続く空堀(北東方面)
 
江口公が居住していた内城のあった所
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江口公が居住していた
内城のあった所
 墓地の奥地には、江口公のお墓と彼の義に生きた生涯を顕彰する碑が建てられている。

[ 畑谷城 縄張り図(案内図) (87kB) ]

 畑谷城跡は、NHK大河ドラマ「天地人」の放送決定後、観光客が次々と訪れており、山辺町観光協会天地人部会(後藤礼三会長)は、同町の史跡・畑谷城跡近くの民家と土地を借り、無料の休憩所「ごへえ宿」と駐車スペースを設けた。
 休憩所は木造2階建てで、1階の14畳の部屋に茶道具を準備し、暖房器具も設置。奥にはトイレと台所も整備した。
 また、玄関には畑谷城に関するパンフレットなどを置いた。
 駐車場は20台ほど収容できるスペースを確保した。

 休憩所は普段鍵を掛けておくが、利用希望者が同部会事務局に電話で申し込めば、鍵を開けることにしている。
城跡入口案内板・説明板と無料休憩所「ごへえ宿」
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城跡入口案内板・説明板と
無料休憩所「ごへえ宿」
江口公の墓のある長松寺
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江口公の墓のある長松寺
 
 同協会では「今後も観光客の動きなどを見て、休憩所の活用方法を検討していきたい」と話している。
 問い合わせは同部会事務局の町ふるさと資料館023(664)5033、町産業課商工観光係023(667)1106。
             ※ 山形新聞 2008年12月13日 掲載分より

 最上氏武将の江口氏が守った畑谷城は、その主郭が畑谷集落背後比高70mの館山山頂部に位置し、その主郭周囲には珍しい二重堀が巡っていました。
 ただ、更にその西部下の三重堀は整備されておらず、確認できませんでした。

 それにしても、麓東側の尖り森(標高575m)からの見通しを防ぐ、侵入を防ぐ目的で築いた大規模な東部大空濠とその高く盛り上げられた土塁、更にそれに続く空堀の凄さには驚きました。
 箕輪城跡の大空堀にも対抗する規模で必見です。
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城跡入口と首洗い池
向かいに西黒森山を望む城入口の「ごへえ宿」(南西方面) 「ごへえ宿」からすぐ近くの空堀先端部にある首洗い池
クリックで拡大図(114kB)にいきます。 首洗い池前からの城入口に沿って続く空堀(北東方面)
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向かいに西黒森山を望む
城入口の「ごへえ宿」(南西方面)
ごへえ宿からすぐ近くの
空堀先端部にある首洗い池
首洗い池前からの
城入口に沿って続く空堀(北東方面)
坂の途中にある城への登り口 坂の途中からの城への登り道 登り口から入ってすぐの城への道
坂の途中にある城への登り口 坂の途中からの城への登り道 登り口から入ってすぐの城への道
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主郭の周りを守る二重濠
登り道から二重濠への入り口
クリックで拡大図(109kB)にいきます。 主郭への登り道からの空堀(南東方面) 二重濠になる手前の空堀(北西方面)
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登り道から
二重濠への入り口
主郭への登り道からの
空堀(南東方面)
二重濠になる手前の
空堀(北西方面)
主郭西側からの侵入を防ぐための二重濠南側(南方面) 主郭西側一番幅の広い部分の二重濠(北方面)
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主郭西側からの侵入を防ぐための二重濠南側(南方面)(22kB)
 
主郭西側一番幅の広い部分の
二重濠(北方面)
主郭北西部下の二重濠北側(南西方面)
クリックで拡大図(105kB)にいきます。 主郭北側下搦め手口側の空堀(西方面) 主郭東北下の空堀(南方面)
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主郭北西部下の
二重濠北側(南西方面)
主郭北側下搦め手口側の
空堀(西方面)
主郭東北下の空堀
(南方面)
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主郭虎口と空堀曲輪跡
主郭への登り道からの主郭虎口(南面) 主郭への道からの主郭虎口跡(南方面)
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主郭への登り道からの主郭虎口(南面)(21kB)
 
主郭への道からの
主郭虎口跡(南方面)
主郭西側の空堀曲輪(北方面)
クリックで拡大図(100kB)にいきます。 主郭西側の空堀曲輪(北方面) 主郭への上がり口の道(南辺中間部)
主郭西側の空堀曲輪(北方面)
 
主郭への上がり口の道
(南辺中間部)
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館山山頂部の主郭跡
主郭南東端からの主郭跡全景(北方面)
主郭南東端からの主郭跡全景(北方面) (35kB)
主郭跡に建つ畑谷城400年記念碑
クリックで拡大図(36kB)にいきます。 主郭跡に建つ江口光春を偲ぶ石碑
クリックで拡大図(98kB)にいきます。 主郭跡に建つ案内板と祠
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主郭跡に建つ
畑谷城400年記念碑
主郭跡に建つ
江口光春を偲ぶ石碑
主郭跡に建つ
案内板と祠
主郭北西端からの主郭跡全景(南方面) 石碑群裏面
主郭北西端からの主郭跡全景(南方面) (33kB)
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東部大空濠
館山(主郭)側からの東部大空濠の土塁(西面尖り森方面)
クリックで拡大図(kB)にいきます。 南側からの竪濠と接する南辺側の東部大空濠(東方面)
クリックで拡大図(88kB)にいきます。 南辺側の東部大空濠と接する南側からつながる竪濠(東方面)
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館山(主郭)側からの
東部大空濠の土塁(西面)
南側からの竪濠と接する
南辺側の東部大空濠(東方面)
南辺側の東部大空濠と接する
南側からつながる竪濠(東方面)
尖り森側の東部大空濠南側内部(北東方面)
クリックで拡大図(126kB)にいきます。 尖り森側とを結ぶ東部大空濠土橋(北東面)
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尖り森側の東部大空濠
南側内部(北東方面)
尖り森側とを結ぶ
東部大空濠土橋(北東面)
尖り森側の東部大空濠
北側内部(南西方面)
東部大空濠北面側内部(東方面) 尖り森側からの東部大空濠北面側(西方面)
クリックで拡大図(91kB)にいきます。 館山(主郭)側の横移動を防ぐ竪濠(西北西方面)
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東部大空濠
北面側内部(東方面)
尖り森側からの東部大空濠
北面側(西方面)
館山(主郭)側の横移動を防ぐ
竪濠(西北西方面)
空濠の土塁を兼ねた簗沢方面への道(北方面) 尖りの森を囲むように延びる空濠(北方面) 簗沢方面への道沿いの空濠の内部(北方面)
空濠の土塁を兼ねた
簗沢方面への道(北方面)
尖りの森を囲むように延びる
空濠(北方面)
簗沢方面への道沿いの
空濠の内部(北方面)
簗沢方面への道沿いの空濠の内部(北方面) 簗沢方面への道沿いの空濠の内部(北方面)
簗沢方面への道沿いの空濠の内部(北方面)
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 畑谷城跡                                      平成21年5月1日時点  
◇所在地 ・山形県東村山郡山辺町畑谷字館山
◇交通 ・東北自動車山形中央IC〜県道17号線を西進し〜国道458号線を横断し〜
  〜県道49号線には入り更に西進し、県道17号線に合流する手前の
  畑谷公民館を過ぎてすぐ左折し、長松寺を目指して進むと畑谷城入口へ
・羽州街道の国道13号線を北上し、
  かみのやま温泉手前を国道458号線に入り約20km北上、
  山形市中屋敷の信号を、県道17号線(弧越街道)へ左折し約10km西進し、
  畑谷地区に入ってすぐに右折し、長松寺を目指して進むと、畑谷城入口へ
◇駐車場 ・無料休憩所「ごへえ宿」の駐車場を利用
◇問い合わせ ・山辺町観光協会     TEL:023-667-1106
・山辺町ふるさと資料館  TEL:023-664-5033

参考文献 ・現地解説板、現地入手のパンフレット

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