名張藤堂家邸跡(別名:名張陣屋、名張城)

―― 名張藤堂家邸の地下に眠る忘れ去られた城 ――

名張藤堂家邸入口の正面棟門(北東面)
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名張藤堂家邸入口の
正面棟門(北東面)

 
棟門を入ってすぐ右の広場と白壁塀
棟門を入ってすぐ
右の広場と白壁塀
 現在の県史跡名張藤堂家邸跡の地下には、松倉氏が築いた名張城と、宝永7年(1710)に全焼した初期名張藤堂家邸が埋まっています。
 丸之内通りの整備事業によって昭和62年(1987)より平成3年(1991)まで発掘調査が実施され、松倉名張城の石垣や蔵跡、藤堂名張城の石垣、初期名張藤堂家の焼失建物跡など、数多くの遺構や遺物が確認されました。

 名張の城下町の形成は、天正13年(1585)に伊賀の国主となった筒井定次の家臣であった松倉豊後守勝重が八千石で名張地区に入り、その中央台地に名張城を築いた事から始まります。
 翌14年3月勝重が65歳で没すると、重政六千石、弟重宗二千石で跡を継ぐが、天正15年3月出家して、同年5月桃カ谷国仲が名張城に四千石で入城。

 その後、慶長13年(1608)、藤堂高虎が伊賀一国・伊勢半国二十万石の領主として津城に入ると、梅原勝右衛門を名張城に置きます。
元廊下から御殿次の間への現在玄関代わりの入口
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元廊下から御殿次の間への
現在玄関代わりの入口

 
邸跡北側の庭にある井戸跡
邸跡北側の庭にある井戸跡
 
 しかし、元和3年(1617)、一国一城令により、名張城は廃城となります。

 その後、寛永13年(1636)、伊予国今治から伊勢二万石に国替えされて名張に来住した高虎の養子の藤堂高吉により本格的な城下町建設が行われました。
 名張城の跡地に領主の名張藤堂家邸を配置し、その下を流れる川を「城下(じょうげ)川」と名付け、外堀の機能を与えています。
 また、伊予から連れてきた多数の家臣と商人、職人を町に居住させました。
 そして、外敵の侵攻を阻む戦術から、鍵型に屈折した町筋や用水路をつくり、御殿がある高台の斜面には竹薮を張り巡らすなど、小規模ながら城下町(陣屋町)としての形態をもつまちづくりがなされました。

 そんな名張藤堂家邸も、宝永7年(1710)4月14日の名張の大火により全焼、ただちに再建が始まりましたが、その時名張城の石垣や堀を埋めて(燃えた廃材の処分場として)一回り大きい宅地を造成し、建物の方位は、焼失前の建物と同一にした。

庭園側からの邸建物(中奥他)
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庭園側からの邸建物
(中奥他)

 
邸跡西側の庭園と裏側の門
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邸跡西側の庭園と裏側の門
 
 しかし、再建された名張藤堂家邸も、明治初年には奥向きの住居を残し、他は取り壊されました。
 現在でも、藤堂家邸の一部や寿栄神社に移築された御殿の正門である太鼓門、城下川、鍵型の町筋や用水路、竹薮や石垣の跡など、往時の面影が残ります。

[ 文化3年(1806)の名張絵図 (136kB) ]

[ 現在の名張城跡の案内図 (66kB) ]

 名張藤堂家邸は、宝永7年の大火以後に再建されたものの屋敷図によると畳数だけでも1,083畳にもなる大邸宅だったそうですが、明治初年に建物の大部分が取り壊されて、現在の「御西」と称された中奥、祝の間、茶室など日常生活に使用された奥向きの一部と正門(寿栄神社に移築)が残るだけになったそうです。

名張藤堂家邸内(順路順)
邸内からの表棟門 邸内
クリックで拡大図(kB)にいきます。 畳張りの廊下
邸内からの表棟門 邸内 畳張りの廊下
男爵の遺品のある部屋 鎧兜のある部屋 畳張りの廊下
男爵の遺品のある部屋 鎧兜のある部屋 畳張りの廊下
邸内からの白壁塀(西方面) 邸跡裏側からの裏門と白壁塀(西面)
邸内からの白壁塀(西方面) 邸跡裏側からの裏門と白壁塀(西面)
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 名張藤堂家邸跡(名張陣屋、名張城)                   平成22年5月1日時点  
◇所在地 ・神奈川三重県名張市丸之内54-3
◇交通 ・近鉄大阪線 名張駅より、徒歩約5分
◇駐車場 ・すぐ横の名張市役所市史編さん室前の駐車場を利用
◇開館時間・午前9時から午後5時まで
◇入館料金・大人:200円、高校生:100円、小中学生:無料
◇休館日・月曜日、木曜日 但し、月曜日、木曜日が祝日にあたるときはその翌日
・年末年始(12月29日から翌年1月3日まで)
◇問い合わせ名張市観光協会   TEL:0595-63-9087
・名張市観光協会 駅前案内所   TEL:0595-63-9148

参考文献 ・現地で入手のパンフレット、及び、解説板

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