津久井城跡(別名:築井城)

―― 甲州街道に達する津久井往還近く要衝の地の根小屋式山城 ――
水の苑地津久井湖記念館前から見た飯縄曲輪と大杉遠望(南西方面)
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津久井湖記念館前から見た
飯縄曲輪と大杉遠望
飯縄曲輪から鷹射場への尾根道にある堀切
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飯縄曲輪から鷹射場への
尾根道にある堀切

 津久井城は地理的には、北方に武蔵国、西方に甲斐国に接する相模国の西北部に位置しています。
 そして、八王子から厚木・伊勢原、古代東海道を結ぶ八王寺道と、江戸方面から多摩丘陵を通り、津久井地域を東西に横断し甲州街道に達する津久井往還に近く、古来重要な水運のルートであった相模川が眼前を流れているなどから、交通の要衝の地でもありました。

 津久井城の築城は、鎌倉時代初期に三浦半島一帯に勢力を誇っていた三浦一族の築井太郎次郎義胤により築かれたと伝承されています。

 戦国時代(1525年頃)になると「根小屋式山城」として整備され、後北条氏の家臣、内藤氏が城を治めていました。
鷹射場下段部から町田方面を望む(西方面)
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鷹射場下段部から
町田方面を望む(西方面)
白兵が刀を研いだといわれる今も白く濁った水を湛える水の手の宝ヶ池
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白兵が刀を研いだといわれる
白い水を湛える宝ヶ池
 この地域は武田氏との勢力圏の境目であったため北条氏にとって重要な城でしたが、天正18年(1590)に豊臣秀吉の小田原攻めに際して、徳川勢の本多忠勝、平岩親吉ら12,000人の軍勢に攻められ、6月25日開城しました。
 城の南に広がる金原地区には、前陣場、奥陣場、勝どき畑、首塚など、戦に関連すると考えられる地名が残されています。

 江戸時代初頭には麓に代官陣屋が置かれ、寛文4年(1664)頃に廃棄されました。
 現在残っている遺構は、16世紀に北条氏が整備したものです。

■ 山城部分の遺構
 標高375mの山頂、西峰の本城曲輪、太鼓曲輪、飯縄神社のある東峰の飯縄曲輪を中心に、各尾根に小曲輪が階段状に配置されています。これらの曲輪には土塁や、一部石積みの痕跡も残っています。
飯縄曲輪跡に建つ神社(西側正面)
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飯縄曲輪跡に建つ神社
(西側正面)
本城曲輪からの太鼓曲輪との間の深い堀切(東方面)
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本城曲輪からの太鼓曲輪との
間の深い堀切(東方面)
 また、山頂尾根には敵の動きを防ぐため、3箇所に大堀切が、山腹には沢部分に掘削・拡張した長大な竪掘りが掘られています。
 飯縄神社の東下にある宝ヶ池と呼ばれる溜井は今でも水を湛えています。

■ 根小屋部分の遺構
 南麓一帯は城主や家臣の日常生活の場「根小屋」と呼ばれています。
 根小屋は、根本・城坂、小網、荒久、馬込地区一帯に広がっていたと推定され、各地域で大小の曲輪が確認できます。特に、城坂地区には御屋敷、馬場、左近馬屋などの地名が残されており、津久井城の根小屋の中心と考えられています。
 また、御屋敷跡の発掘調査では、建物跡や煙硝倉跡、深さ3mにも及ぶ空堀、土塁跡などが見つかっており、城主館跡と考えられます。

[ 本城曲輪にあった津久井城跡の縄張り図 (112kB) ]
本城曲輪最高位地に建つ築井古城記の碑(東方面)
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本城曲輪最高位地に建つ
築井古城記の碑(東方面)
根小屋地区の広場上の高台にある築井城址碑
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根小屋地区の広場上にある
築井城址碑

[ 津久井城山頂の尾根にある三箇所の堀切見取図 (53kB) ]

[ 本城曲輪群の見取図 (57kB) ]

 城山と呼ばれる城跡は、津久井湖岸とは反対の根小屋側から登るとよく整備された道があり、とてもゆるやかで急なところはほとんどありません。
 コースは男坂コースを女坂コースの2つあり、男坂は急で鎖をたどって登り、女坂はなだからですが、距離があります(大体本丸まで1時間)。

 城山山頂の本城曲輪からいくつかの堀切を越えて、東へ太鼓曲輪、飯縄曲輪、鷹射場へと向い、そこで相模川越しの町田方面を一望できます。
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津久井湖展望台前からの城山への登城口
津久井湖展望台前からの
城山への登城口
桜の小道から飯縄曲輪への北側の山道
桜の小道から飯縄曲輪への
北側の山道
飯縄曲輪と鷹射場の中間の案内板
飯縄曲輪と鷹射場の
中間の案内板
飯縄曲輪から鷹射場への途中にある竪堀の内部
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飯縄曲輪から鷹射場への
途中にある竪堀の内部
鷹射場方面からの堀切(西・飯縄曲輪方面)
鷹射場方面からの堀切(西・飯縄曲輪方面)
 
尾根道からの鷹射場上段部全景(東方面
尾根道からの鷹射場上段部全景(東方面
鷹射場上段内部(北方面)
鷹射場上段内部(北方面)
宝ヶ池方面から鐘撞堂跡のある曲輪
宝ヶ池方面から鐘撞堂跡のある曲輪
 
鐘撞堂跡のある曲輪からの飯縄曲輪の神社(裏側南側面)
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鐘撞堂跡のある曲輪からの
飯縄神社(裏側南側面)
飯縄曲輪跡西端からの飯縄神社と鳥居(西面)
飯縄曲輪跡西端からの
飯縄神社と鳥居(西面)
飯縄曲輪南側に建つ曲輪跡標柱
飯縄曲輪南側に建つ
曲輪跡標柱
本城曲輪方面からの飯縄曲輪への登り階段(東方面)
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本城曲輪方面からの
飯縄曲輪への登り階段(東方面)
太鼓曲輪跡東端上部から見た南下家老屋敷跡の曲輪
太鼓曲輪跡東端上部から見た
南下家老屋敷跡の曲輪
家老屋敷跡内部(太鼓曲輪跡南下・北方面)
家老屋敷跡内部(太鼓曲輪跡南下・北方面)
 
太鼓曲輪跡南下からの家老屋敷跡内部(南方面)
太鼓曲輪跡南下からの
家老屋敷跡内部(南方面)
太鼓曲輪の虎口跡(東側)
太鼓曲輪の虎口跡(東側)
 
太鼓郭跡(本城曲輪との堀切方面)
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太鼓郭跡
(本城曲輪との堀切方面)
本城曲輪群東端の土蔵跡の曲輪(西方面)
本城曲輪群東端の土蔵跡の曲輪(西方面)
曲輪北側にある土蔵跡標柱(北方面)
曲輪北側にある
土蔵跡標柱(北方面)
本城曲輪東下から南下側を囲む曲輪(北西方面) 本城曲輪南下側曲輪
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本城曲輪東下から南下側を囲む曲輪(北西方面)
本城曲輪南下面とそれを囲む曲輪(北方面)
本城曲輪南下面とそれを囲む曲輪(北方面)
山頂部に築井古城記の碑の建つ本城曲輪全景(東方面) 本城曲輪全景 
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山頂部に築井古城記の碑の建つ本城曲輪全景(東方面)
高台にある築井城址碑からの根小屋地区の広場
高台にある築井城址碑からの
根小屋地区の広場
牢屋の沢に掛る整備された遊歩道
牢屋の沢に掛る
整備された遊歩道
馬場広場・展望広場から小倉道への遊歩道
馬場広場・展望広場から
小倉道への遊歩道
城坂側の入口からの御屋敷広場全景(北西方面)
城坂側の入口からの御屋敷広場全景(北西方面)
北側段上の御屋敷跡(北東方面)
北側段上の御屋敷跡(北東方面)
バス停「クラブ前」から根小屋地区へ向う道路からの城山:本城曲輪(南東方面)
バス停「クラブ前」から根小屋地区へ向う道路からの城山:本城曲輪(南東方面)
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 城山(津久井城跡)                           平成22年4月18日時点  
◇所在地 ・神奈川県相模原市津久井町根小屋162
◇交通 ・JR横浜線・相模線 橋本駅北口のバス停1番線乗り場、三ケ木行きのバスに乗り、
   約22分くらいで、「津久井湖展望台」下車、又は、2つ先の「クラブ前」下車し、
   根小屋地区パークセンターへ、徒歩約20分
◇駐車場 ・津久井湖観光センタ周辺の無料駐車場か、
・根小屋地区パークセンターの無料駐車場を利用
◇開館時間・9:00〜17:00
◇休館日・第1・第3月曜日の午前と年末年始
◇問い合わせ県立津久井湖城山公園パークセンター   TEL:042-780-2420

参考文献 ・現地で入手のパンフレット、及び、解説板

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